再生医療
骨髄由来幹細胞点滴
骨髄由来幹細胞点滴とは?
骨髄由来幹細胞点滴とは、患者様ご自身の体内にある骨髄から骨髄液を採取し、その骨髄液の中にある幹細胞を培養して大量に幹細胞を増やし、患者様のお体に点滴投与していく治療になります。
今までは根本的な治療がない(困難)と言われていた病状に対して、損傷された細胞を修復させる、新たな細胞を体内に収着させる、再構築させる事を目指す治療です。
当院の再生医療 骨髄由来幹細胞治療の流れ
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検診
血液検査・感染症研鑽など
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骨髄穿刺
骨髄液の採取
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抽出
骨髄液から骨髄幹細胞を抽出
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細胞培養
培養センターにて骨髄幹細胞の培養
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安全性検査
培養された幹細胞の安全性及び
性能を厳密にチェック -
点滴
骨髄幹細胞投与
自分の体を治す力=幹細胞の数
人間の体は約60兆個もの細胞で構成されていて、常に新陳代謝を繰り返しており、古くなった細胞は新しい細胞へと入れ替わっています。ただし、年齢を重ねていくとともに、自分を治す力(自己治癒力)はどんどん減少していってしまうのです。
身体に外傷を負った際に、体が傷を自己修復してくれますが、傷の回復の為には新たな細胞を作る必要があります。その際に新たな細胞を生み出す役目をするのが「幹細胞」です。
つまり、自分の体を治す力=幹細胞の数となります。
新生児を1とすると80代では、新生児の1/200~1/700にまで減少してしまいます。
その為、加齢とともに自分を治す力(幹細胞の数)が徐々に低下していくことで、傷が治りにくくなったり、老化してしまうのです。幹細胞が働いてくれるからこそ、私たちは健康な体を維持する事が可能になっています。

間葉系幹細胞の特徴
間葉系幹細胞というのは、ヒトが持つ幹細胞のひとつでMSC(MSC mesenchymal stem cell)とも呼ばれています。間葉系幹細胞は成体幹細胞の一つで、人の骨髄・脂肪・皮膚・臍帯・滑膜(関節の周囲組織)など体内の様々な部分に存在しています。
特徴は骨・軟骨・脂肪等・血球をはじめ、組織細胞(肝細胞、神経細胞等)と多様に分化できる細胞と定義されています。
体内の部分によって、間葉系幹細胞の性質や特性が少し異なるのですが多様な細胞に分化できる「間葉系幹細胞」が今注目されています。
その中でも骨髄由来間葉系幹細胞は、研究の歴史は古く、特に各種神経損傷モデル(脳卒中、脊髄損傷など) に対する治療効果では、人における臨床研究でも多数報告されております。
骨髄由来の間葉系幹細胞を治療に使う理由
骨髄由来というのは、骨髄液中にある間葉系幹細胞を基にしている( 用いている) 事を骨髄由来と言います。骨髄由来の間葉系幹細胞群には骨・軟骨・脂肪・筋肉・血管・神経等、多様な細胞に分化出来る幹細胞が多数含まれています。その中でも骨髄由来の間葉系幹細胞は神経細胞に分化する可能性が、他の部分から(他の由来)採取された間葉系幹細胞よりも優れています。つまり、骨髄由来の間葉系幹細胞は神経再生能力が高い細胞になります。

髄由来の間葉系幹細胞による治療は、脳卒中(脳梗塞・脳出血)や脊髄損傷(頚椎損傷)において、中枢神経等、損傷を受けられた方への神経再生への臨床効果の報告が一番豊富であり、期待を持つことができます。
当院では患者様ご自身の骨髄より採取した間葉系幹細胞を用いた治療「自己骨髄由来間葉系幹細胞点滴」を脳卒中(脳梗塞・脳出血) ・脊髄損傷(頚椎損傷) の患者様へ治療を致しております。
幹細胞点滴による再生医療の期待できる効果
効果の一例としては、個人差がもちろんありますが、脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)、及び脊髄損傷後の後遺症の軽減や、リハビリ効果が高まることが報告されています。
間葉系幹細胞治療は一般で行える再生医療としては安全面、実績面でも効果のあるものとされていますが、治療の性質上、劇的な回復効果を期待できるものではありません。効果には個人差があります。
脳卒中の後遺症に期待できる効果

運動障害の改善
- ・手足や体の感覚が徐々に回復する。
- ・手足に力がはいるようになる。
- ・お箸を使用して、自力で食事がとれるようになる。
- ・歩行不能状態から歩行器を使用しての歩行が可能となる。

失語症・言語障害の改善
- ・言葉や文字の理解が出来る。
- ・発声が出来る。
- ・読み書きが出来る。
- ・意思の疎通が円滑になる。

感情や行動の改善
- ・怒りっぽい性格が穏やかな性格に戻る。
- ・衝動的な突然の動きや、行動が無くなる。
- ・感情の起伏をコントロールできる。

視覚障害の改善
- ・視力が回復する。
- ・景色がはっきりと見える。
- ・見える範囲が広がる。
- ・二重に見える事が無くなる。
- ・視野欠損が解消される。

痺れ、痛みの改善
- ・肩こり、腰痛、頭痛、関節痛、筋肉の痛みの軽減。
- ・脱力感の軽減。
当院が実施した自己骨髄由来幹細点滴による脳卒中の後遺症に対する効果実績
運動機能系
【40代:男性】右肩の感覚が戻り、屈折がしやすくなった。
【40代:男性】足の指に力が入り、動かしやすくなった。
【40代:男性】歩行の歩幅が広くなり、歩行スピードも速くなった。
【40代:男性】指折りが出来たり等の運動機能の改善。
【40代:男性】家族と瞬きなどでコミュニケーションがとれるようになる。
【40代:男性】歩行不能だったのが、歩行訓練ができるようになり、歩行が可能となる。
【90代:男性】手の指が動きはじめた。
【90代:男性】お箸やコップを持って、自力で食事が取れるようになる。
【40代:男性】手足の筋力が向上した。
【60代:女性】立位や歩行時のバランスが改善し、ふらつき無く安定するようになる。
言語系
【40代:男性】言葉の語数が多くなったのを自覚できる。
【40代:男性】言葉の使い方の間違いが減少し、誤っても自己修正が出来る。
【40代:男性】単語の言葉が発せられるようになる。
【50代:男性】人との会話が理解できるようになる。
【50代:男性】文章を読んで認識出来るようになる。
排尿系
【60代:男性】夜間の頻尿回数が少なくなる。
【60代:男性】夜間失禁が無くなった。
疼痛、しびれ系
【40代:男性】顔面のしびれの範囲が少なくなった。
【60代:女性】歩行不能だったのが、歩行訓練ができるようになり、歩行が可能となる。
【60代:女性】頭痛、めまい、手の痺れの程度が軽減。
視覚系
【40代:男性】複視(2重に見える)が改善傾向であると眼科で診断される。
脊髄損傷の後遺症に期待できる効果

感覚障害の改善
- ・手足の痺れや麻痺の軽減。
- ・物に触る触覚の回復。
- ・冷感、温感の温度を感じる。
- ・痛覚を感じる。

歩行障害の改善
- ・下肢の痺れ、麻痺の改善。
- ・下肢に力が入るようになる。
- ・歩行器を使いながら歩けるようになる。
- ・歩行時や階段昇降時のよろめきが無くなりバランスが取れる。

排尿障害の改善
- ・排尿、排便が自分の意思でコントロール出来るようになる。
- ・排尿の回数が少なくなる。
- ・排尿時の痛みの軽減。
- ・残尿痛の軽減。

失語症・言語障害の改善
- ・言葉や文字の理解が出来る。
- ・発声が出来る。
- ・読み書きが出来る。
- ・意思の疎通が円滑になる。

各種痛みの改善
- ・肩こり、腰痛、頭痛、関節痛、筋肉の痛みの軽減
- ・脱力感の軽減。
当院が実施した自己骨髄由来幹細胞点滴による脊髄損傷の後遺症に対する効果実績
運動系
【70代:男性】手の握力の向上を、リハビリの先生にも認知される。
【70代:男性】手の握力が少し戻り、握れるくらいに動くようになってきた。
歩行系
【40代:男性】足先を動かせるようになった。
【10代:女性】足の背屈の力が改善して強くなった。
排尿系
【20代:男性】尿失禁をしなくなった。
言語系
【40代:男性】言葉の語数が多くなったのを自覚できる。
【40代:男性】言葉の使い方の間違いが減少し、誤っても自己修正が出来る。
【40代:男性】単語の言葉が発せられるようになる。
【50代:男性】人との会話が理解できるようになる。
【50代:男性】文章を読んで認識出来るようになる。
しびれ、疼痛系
【20代:男性】太腿内側や背中の感覚が戻った。
【20代:男性】両側下肢の感覚が強くなってきた。
骨髄由来幹細胞点滴治療の流れ
当院の幹細胞点滴の治療期間の目安は、通常1クール(3回投与)は4~5カ月間となります。
通院回数は5回の通院で幹細胞点滴を受けてただいております。
治療終了後から6ヶ月後もしくは1年後に検診をさせていただいております。
問診・診療カウンセリング通院

まずはご来院いただき、問診・診療カウンセリングで患者さまの過去の既往歴から発症の経緯、また後遺症、病状や治療の目的、再生医療の効果や可能性、リスク、治療を受ける上での向き合い方などしっかりとお話しさせて頂きます。
目安時間:約2時間程
採血・感染症検査

初診当日に治療を希望(同意)された患者様には、感染症検査(採血)を実施致します。感染症のウィルス等をお持ちの方は細胞培養が出来ない為、感染症がない事を確認致します。
検査結果までの目安時間:約1週間前後
骨髄穿刺(骨髄液採取)通院

専用服に着替え、血圧測定の為のモニターをつけます。
腰上部あたりを局部麻酔をし、専用の注射器で腸骨(骨盤をつくる左右の寛骨の上部を占める大きな骨)から骨髄液を採取します。採取には約30分程度のお時間になります。
採取後は止血の為、約60分程安静に休んでから帰宅いただきます。
目安時間:約90分程度
幹細胞の培養

採取した骨髄液を、その日の内に細胞培養加工センターに送り、細胞を培養していきます。患者様から採取された骨髄液は厳重な保管を施し、温度管理を維持したまま、その日の内に、国内の細胞培養加工施設に輸送され、安全キャビネット内にて細胞培養を行います。
臨床効果があったという報告が多い生細胞数1憶個/回を目標として細胞培養を行い、得られた細胞に幹細胞がしっかり含まれていることを確認します。
細胞培養目安時間:約4週間程度
※細胞の培養数、培養時間には個人差があります。上記期間は目安です。
幹細胞投与( 点滴投与) 1回目通院

ご自身の骨髄細胞を基に培養し増やした細胞をお体に点滴で投与します。
点滴目安時間:約30分程度
幹細胞投与( 点滴投与) 2回目通院

4週間後に2回目の幹細胞投与を行います。
点滴目安時間:約30分程度
幹細胞投与( 点滴投与) 3回目通院

4週間後に3回目の幹細胞投与を行います。
点滴目安時間:約30分程度
検診通院

治療終了後から6カ月もしくは1年後に検診を行います。
目安時間:約60分程度