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医療法人慶春会福永記念診療所、ドクターブログ

脳卒中の治療や後遺症、その予防方法とは? 

皆さんこんにちは。福永記念診療所で再生医療部門を担当しております、医師の貴宝院(きほういん)です。

肌に感じる風が日ごとに冷たくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、テレビで若い俳優さんや歌手の方なども脳卒中を発症されたと驚かれた方も多いのではないでしょうか?

今回は、そんな脳卒中についてのお話です。

 

脳卒中の治療や後遺症、予防するためには?

古い言葉で「卒中」は突然意識を失って倒れ、昏睡状態になるような発作のことをさしていました。この言葉の通り脳卒中とは、脳が突然傷つくということで、何の前触れもなく突然発症することが多い病気です。

 

脳卒中はどんな病気?

日本人の死亡原因の第4位で、罹患すると要介護状態になる原因の第1位でもあります。

脳卒中は、大きく分けて以下の3つのタイプに分類され、損傷部位によって出てくる障害や後遺症は異なります。

脳梗塞

脳内の血管が細くなったり詰まることにより、血流が悪くなります。

脳梗塞は、さらに『アテローム血栓性脳梗塞』『ラクナ梗塞』『心原性脳塞栓症』の3つに分けられます。

脳出血

脳内の血管が破れ、出血した状態です。

脳出血は、部位別に『被殻出血』『視床出血』『皮質下出血』『橋出血』『小脳出血』と分けられます。

くも膜下出血

脳の表面にある大きな血管にできたこぶ(脳動脈瘤)が破れて、くも膜下の下に出血します。

 

症状と診断について

上記で述べたように、損傷を受けた部位によって症状は様々で、片方の手足に麻痺や痺れを感じる(運動障害・感覚障害)、ろれつが回らず聞き取りにくい、話したいのに言葉がでない・理解できない(言語障害・失語症)や、視野が半分になる(視野障害)、歩行時にバランスが取れない、めまいがする(平衡感覚障害)などがあります。

くも膜下出血の場合は、バットで突然殴られたような激しい頭痛が生じ、嘔吐する場合が多いです。

これらの症状が出た場合、一刻も早く医療機関を受診しましょう!脳卒中は、治療開始までのスピードがとても大切です。

医療機関では、問診や以下の画像所見で診断します。

1.CT検査

脳内の出血の有無を確認します。脳出血の場合は発症直後から診断が可能です。CT検査の結果、黒い影が確認できれば脳梗塞と診断されます。

2.MRI・MRA検査

磁力を用いた検査で、CTよりも鮮明な画像であるため、小さな脳梗塞も画像解析ができます。

また、MRAは造影剤を使用せずに脳の血管を映し出すことが可能で、CTでは見過ごしてしまう程の微小出血でも確認できます。

3.超音波検査や血管造影検査

頸動脈に起きる動脈硬化や狭窄、閉塞は超音波で比較的発見しやすいため、頸動脈エコーという超音波検査を行います。また、造影剤を脳動脈に流すことで血管を撮影し、狭窄や閉塞した箇所をより正確に診断できる脳血管造影検査があります。

 

治療方法

発症からどれだけ時間が経っているか、また脳梗塞・脳出血・くも膜下出血で、治療方法も使用する薬も変わってきます。

脳梗塞の場合(※脳卒中治療ガイドライン/グレードAを中心に解説します。)

1.血栓溶解療法(静脈内投与)

発症後4.5時間以内であれば、rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法という血栓を溶かす薬剤を点滴投与する治療を行います。(検査などにおよそ1時間ほどかかるため、少なくとも病院には3.5時間以内に到着している必要があります。)

2.血管内再開通療法

発症後48時間以内で最大1.5㎝を超えるラクナ梗塞以外の非心原性脳梗塞に対しては、血液の凝固を抑制するためにアルガトロバンという抗凝固薬を点滴投与します。

3.急性期抗血小板療法

最終健常確認から6時間を超えた内頚動脈または中大脳動脈M1部の急性閉塞が原因と考えられる大きな脳梗塞では、神経兆候と画像診断に基づく治療適応判定を行い、最終健常確認時刻から16時間以内(グレードA)、あるいは24時間以内(グレードB)に血管内治療(機械的血栓回収療法)を開始することが勧められます。

 

脳出血の場合

1.血圧管理と脳浮腫予防

脳出血の原因は高血圧によるものが多いため、血圧を下げる薬を投与します。出血を止めるために止血剤を投与する場合もあります。脳出血によって脳が圧迫されますので浮腫をとるために抗浮腫剤を投与します。(脳浮腫予防のため、2週間以上投与します。浮腫が最大になるのが1~2週間と言われているからです。)

2.開頭血腫除去術

頭蓋骨を一部切り取って外し、頭蓋内圧を逃がし血種を除去することが目的です。外した骨は冷凍保存しておき、急性期を脱し脳浮腫がないことが確認できれば、骨を元に戻す再手術を行います。

*この手術は、被殻出血や小脳出血、皮質下出血の一部に行われることがあります。視床出血や橋出血の場合は、脳の中心組織であり、手術を行うことによってさらに機能を損なう可能性もあるため、この方法は行いません。ただし、合併症として水頭症を起こしている場合には進行を抑制するために、脳室外ドレナージという脳室内に大量に貯留した脳脊髄液を外に出す手術を行う場合があります。

 

くも膜下出血の場合

1.開頭クリッピング術

頭の骨を外し、こぶ(脳動脈瘤)の根元をクリップで挟み、血液が流れないようにします。

2.血管内コイル塞栓術

カテーテルを使い、こぶ(脳動脈瘤)の中に細い金属のコイルをいれて内側から詰めて塞ぎます。この場合、頭の骨を外して手術することはありません。

 

今後の生活に支障は?後遺症について

後遺症の程度には個人差はありますが、脳卒中になった方の約60%に後遺症が残ると言われています。

以下に紹介するものは後遺症のごく一部ですが、いくつかの後遺症が重なって現れることが多いです。

1.片麻痺

脳梗塞が起こった反対側の手足に麻痺(力が入らない、痺れる、感覚がないなど)が起こり、障害が残ります。また、手足以外にも顔面に麻痺が起こり、顔の片方の筋肉だけが緩んだり、口角が下がって水を飲む時にこぼれてしまうこともあります。

2.嚥下障害

食べ物を飲み込む力が弱くなってしまうため、食物が気道へ流入し、誤嚥性肺炎が生じます。

3.言語障害

話す、聞く、読む、書くことが難しくなります。また、流暢に話はできるが、内容が意味不明である場合もあります。

4.高次脳機能障害

言語・記憶・注意・情緒といった認知機能に起こる障害で、『隠れた障害』と言われることもあるように、外見では分かりにくいため、日常生活や職場で問題が顕在化することもあります。

 

原因と予防

脳梗塞・脳出血・くも膜下出血共通の大きな原因は、高血圧や糖尿病、高脂血症と言われており、脳内の血管が詰まったり、破れたりすることで起きることが原因で起こります。これらを予防するため、喫煙や大量飲酒を避ける、適度な運動を行うなど生活習慣を見直し、血管を血液が流れやすくする状態にしておくことが重要です。もちろん、再発予防にも、規則正しい生活を心がけましょう!

 

脳卒中に対する再生医療とは

当院では脳卒中やその後遺症に対する新しい治療として、自己の骨髄を用いた幹細胞点滴と、臍帯由来のサイトカインカクテル療法を行っております。また、その効果を高める再生医療に合ったリハビリテーション施設のご紹介も可能です。

これらは、治療の性質上投与するだけで短期間で劇的に改善するというものではありませんが、ご自身の治す力を高めていただき、リハビリテーションを行うための下地作りとして取り入れていただければと考えております。

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