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医療法人慶春会福永記念診療所、ドクターブログ

幹細胞培養上清液とは?

幹細胞を用いた再生医療に新たな方法があります。「培養上清」とは、人体に存在する幹細胞を培養液によって培養することで、幹細胞から分泌されるペプチド(※)成分のことです。

  • ※ペプチド=2個以上のアミノ酸分子が、一方のアミノ基と他方のカルボキシル基とから1分子の水がとれて結合した化合物。

幹細胞培養上清液の中には、幹細胞から分泌された情報伝達物質である約800種類以上のタンパク質「サイトカイン(成長分子)」が存在しています。老化などが原因で衰えた細胞を回復させるためのサポート役として、美容や健康にいろんな効果をもたらしてくれます。
サイトカインはダメージを受けた体内の組織や臓器にある細胞の機能を回復し、細胞を活性化させます。炎症の回復や臓器・脳・脊髄・神経・血管の再生、美容改善、アンチエイジング、毛髪再生などの効果があります。

サイトカイン

IGF:インスリン様成長因子

  • ・細胞DNA合成を調整。
  • ・壊れた細胞の再生を助けることで、新しい神経や血管、骨や皮膚細胞を生み出して、壊れた組織を回復します。

30歳を過ぎるとGH(成長ホルモン)もIGFも80%減少し、加齢と共にさらに減って行きます。高齢者にIGFを投与することで筋力が増加したり、運動療法でも少しIGFが回復するとの報告があります。

BDNF:脳神経保護因子

  • ・脳の神経細胞の成長や新生を促すタンパク質の一種です。ストレスなどで神経細胞が傷つかないように保護し、脳の機能を正常に保つ働きをします。
  • ・脳内の海馬や大脳皮質などに高濃度に分布し、運動や学習、経験、記憶したことを効率的に海馬に記憶するのに重要な役割を果たすので、脳内のBDNFが増加させれば、学習能力が向上し、学業や仕事の能率アップに関わる可能性があります。

NGF:神経成長因子

  • ・NGFはBDNFと並んで、認知症患者やアルツハイマー病患者にとって重要な神経栄養因子のひとつで、ニューロンの軸索の成長、維持し、また軸索をコーティングしているミエリン鞘を修復します。※アルツハイマー病の直接的障害の起因は、海馬のミエリン鞘が脱落して広がるという説があります。
  • ・NGFはイタリアの女性神経学者リータ・レーヴィ=モンタルチーニによって発見され、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。彼女は毎日、NGFを点眼していたせいでしょうか、98歳でインタビューを受けた時の明晰な受け答えは、NGFの認知機能を証明するものでした。尚、彼女は103歳という長寿を全うしました。

VEGF:血管内皮細胞成長因子

  • ・血管新生(今ある血管から分枝・伸長して血管を作る)に重要な役割。

胚発生期にはVEGFが高発現して、その他の増殖因子と協調して脈管形成の調節を行いますが、生後は大幅に発現量が低下します。でも、外傷や骨折の治癒など脈管形成が必要になった組織には、局所的にVEGFの発現量の上昇が認められます。がん、関節リウマチ、加齢黄斑変性症などの血管新生を伴う疾患に認められるので、これらの疾患の進行に関与していると予想されます。

TIMP:MMP阻害因子

  • ・がん間質の主な構成成分であるCAF(がん関連線維芽細胞)の機能を抑制。
  • ・組織コラーゲンやエラスチンの分解を抑制し、組織化することを防止。

がん間質からのシグナルが直接・関節的にがん細胞に影響を及ぼし、腫瘍の増殖・進展に積極的に関与していると推測されます。従来のがん治療の多くは増殖性の高いがん細胞を標的とした治療法が主で、遺伝的異常の頻度が高かったのですが、現在の間質を標的とした治療では、治療抵抗が生じ難いとされています。

KGF:角化細胞成長因子

  • ・表皮の約80%を占める角化細胞(ケラチノサイト)を生成・分裂・増殖の促進。
  • ・ターンオーバーを整え、皮膚の水分保持やバリア機能維持に重要な役割。
  • ・毛母細胞の活性化。

KGFが粘膜・皮膚・臓器など、組織の上皮細胞にある受容体と結合すると、細胞増殖・分化が促進され、コラーゲンやエラスチンと云う肌の弾力を保つたんぱく質が増えます。つまり、肌の細胞新生や増殖を促進し、肌のターンオーバーを正常化させて、たるみやシミを抑制出来るのです。また、一般的に有名な効果は毛髪へのアプローチです。毛乳頭細胞からKGFが作られることで、毛母細胞の増殖・分裂を促して毛髪成長につながるのです。

TGF-β1・β3:トランスフォーミング増殖因子

  • ・結合組織(コラーゲンなど)の合成・増殖の促進。
  • ・細胞組織の再構築、創傷治癒、炎症、免疫などに需要な役割。

当初は、線維芽細胞の形質転換を促進する因子として名付けられましたが、今では多くの細胞に対して強力な増殖抑制因子となることが明らかになっています。

EGF:上皮細胞成長因子

  • ・肌の上皮(皮膚・粘膜など)の成長・再生・修復し、新しい細胞の生産を促進。
  • ・ターンオーバー(表皮細胞の成長)を促し、色素沈着、くすみを予防。

発見された当時は火傷を負った肌の皮膚再生医療分野で使われていましたが、最近は高いアンチエイジング効果に期待されて、よく化粧品に配合されています。

FGF:繊維芽細胞成長因子

  • ・真皮層の線維芽細胞の細胞分裂を活発にして、ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンの生成を促進。
  • ・しわの改善や美白、創傷治癒。

肌の張りや弾力がなくなる原因は、ヒアルロン酸やコラーゲンの減少とされていますが、実は「線維芽細胞の老化」でコラーゲンなどの産出能力が低下するのが大きな原因だったのです。一般的な美容成分は角質層より下へは届き難いのですが、肌表面にある「EGF・FGF受容体」のせいで、EGF・FGFはしっかりと浸透するので、これまでとは違った肌へのアプローチで注目されています。

幹細胞培養上清液はもともと人の身体にある歯髄、骨髄、脂肪、臍帯などの幹細胞を利用して作られますが、細胞の種類によって含まれる成分が異なります。特に我々の開発するSGFOK(臍帯幹細胞培養上清液)には多くのサイトカインが含まれているのです。

この施術ページの監修医師

貴宝院 永稔

貴宝院 永稔(きほういん ながとし)

医療法人慶春会 福永記念診療所 部長
株式会社ニューロテックメディカル 代表取締役
株式会社セルリンクス 代表取締役
医療法人交和会 理事長

学歴・職歴

平成15年3月
大阪医科大学卒業
平成15年5月
大阪医科大学附属病院にて初期研修
平成17年4月
大阪医科大学附属病院にて初期研修 修了
平成17年5月
大阪医科大学(リハビリテーション科)レジデント就任
平成19年3月
大阪医科大学(リハビリテーション科) 退職
平成19年4月
大阪医科大学大学院医学研究科(リハビリテーション科)入学
平成21年4月
医療法人伯鳳会 はくほう会セントラル病院 入職
平成23年3月
大阪医科大学大学院医学研究科卒業
平成30年2月
福永記念診療所 部長に就任

資格

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