Dr.ブログ
パーキンソン病とは?

パーキンソン病とは、ふるえや動きが遅くなる、筋肉がこわばる、体のバランスがとりにくくなるなどの運動症状が現れる進行性の病気です。

パーキンソン病の患者は人口10万人あたり100~150人おり、神経変性疾患の中ではアルツハイマー病に次いで患者が多い疾患です。発症のピークは50~60代ですが、20~30代の若者にも発症することがあります。

パーキンソン病に似た症状が現れるパーキンソン症候群という病気があります。しかし、脳血管障害や薬剤などが原因で発症する病気であり、パーキンソン病とは治療法が異なっています。

パーキンソン病の原因

パーキンソン病が発症する原因はまだはっきりとわかっていませんが、ドパミンという神経物質が関係していると考えられています。

ドパミンは、中脳の黒質という神経細胞で作られ大脳の線条体に運ばれます。体を動かそうとするときの大脳からの指令は、ドパミンを放出し細胞間を伝達させ全身に伝えています。

パーキンソン病を発症した人は正常な人の脳を比べると、体の動きを調整するドパミンの分泌が少ないことがわかっています。そのため、パーキンソン病になるとさまざまな運動症状が現れるといわれています。

ドパミン細胞が減少してしまう理由はまだはっきりとわかっていませんが、α-シヌクレインというたんぱく質が脳内に蓄積することが関係していると考えらえています。

パーキンソンの症状

パーキンソン病の症状は、運動症状と非運動症状があります。

運動症状

パーキンソン病の4大症状として「振戦」「無動」「筋強剛」「姿勢反射障害」があります。初期の段階では、左半身か右半身のどちらかに現れることが多いですが、進行に伴い両側に現れるようになります。また、パーキンソン病が発症したからといって、以下の症状が全て現れるわけではありません。

振戦

手や足、あごなどがふるえることです。何もしていないときにふるえる(安静時振戦)はパーキンソン病の特徴的な症状といえます。
睡眠中はふるえがおさまりますが、目が覚めるとふるえが始まります。

無動

筋力の低下や麻痺がないにもかかわらず、動き始めるのに時間がかかり、動き自体も遅くなることです。
顔の表情が硬くなり、まばたきの回数も減ります。また、言葉の抑揚がなくなり、話し声も小さくなります。

筋強剛

筋肉が緊張しぎこちない動きしかできなくなることです。痛みを感じることがあります。
また、関節が硬くなってしまい他の人が動かそうとしても抵抗があるため、スムーズに動かすことができません。

姿勢反射障害

体のバランスをとることができず、転びやすくなることです。一定速度で歩けなくなる、止まれなくなる、方向転換をするのが難しいなどの症状が現れることがあります。
転倒し打ちどころが悪いと命にかかわることもあるため、注意が必要です。
初期症状として歩行障害が現れることが多いといわれています。

これらの症状の他に、腰が曲がる、食べ物が飲み込みにくくなる、字を書いているうちにだんだん小さくなってしまうなどの症状が現れることがあります。

初期は日常生活を送ることができますが、症状が進行するにしたがい日常生活に支障をきたすようになり、介護が必要になる人が多くなります。

パーキンソン病の障害で介護を受ける高齢男性

非運動症状

パーキンソン病では、さまざまな無運動症状が現れることがあります。パーキンソン病で現れる非運動症状は以下のようなものがあります。

自律神経症状

便秘や立ちくらみ、頻尿、尿漏れ、発汗異常、むくみなどの自律神経症状が現れることがあります。

認知機能障害

順序立てて行動することが難しくなり、判断力や記憶力の低下などの認知機能障害が現れることがあります。

嗅覚障害

においがしなくなる、においにくくなるなどの嗅覚障害が現れることがあります。

睡眠障害

夜中に何度も目が覚めてしまったり、夜十分な睡眠時間をとっても昼間に眠くなってしまったりするなどの睡眠障害が現れることがあります。

精神症状

やる気や周りへの関心の低下やうつ・不安などの精神症状が現れることがあります。また、幻覚や錯覚などの症状が出る方もいます。

予防法

パーキンソン病は原因がまだはっきりとわかっていないため、確実な予防法はありません。

ドパミン分泌の減少がパーキンソン病の発症と関係していると考えられているため、ドパミン分泌を増加させるようなことをすると予防につながるのではないかといわれています。

ドパミンは、行動しているとき、ご褒美をもらったとき、目標を達成したときなどに分泌が増えると考えられています。そのため、趣味などの好きなことで達成可能な目標を立て、達成するたびにご褒美をもらえるような設定をするとよいでしょう。

また、運動症状のため思い通りに体が動かせないからといって運動をせずにいると、筋力が落ちてしまう可能性があります。ドパミンの分泌を増加させるためだけではなく、運動機能を低下させないためにも適度に運動することは大切です。
パーキンソン病予防に効果的な運動をする高齢男性

対処法

残念なことですが、まだ根本的にパーキンソン病を治す治療法はありません。しかし、症状を改善できる薬が開発されているため、治療を受ければパーキンソン病を患っている方の平均寿命は、全体の平均寿命とほとんど変わらないと考えられています。

パーキンソン病の薬物治療

現在パーキンソン病の治療は、薬物療法が中心です。脳内で不足するドパミンを補充するL-ドパという薬がよく使われています。また、脳内でドパミンのように作用するドパミンアゴニストという薬もよく使われています。

処方された薬にどのような副作用があるのか医師に説明してもらい、納得したうえで服用するようにしましょう。また、副作用が現れたらすぐに医師に相談するようにしてください。

パーキンソン病に対する外科的治療

薬で上手く症状をコントロールできないときは、外科的治療が行われることがあります。
脳深部刺激療法は、脳の深いところに電極を埋め込み、胸に設置した装置から電極に弱い電気信号を送ることで神経細胞の興奮を抑えて症状の改善を図る治療法です。

他にもL-ドパの血中濃度を一定に保つために、胃ろうを作りそこからL-ドパを投与し続ける経腸療法があります。

パーキンソン病の外科的治療は、薬物治療に比べてリスクが高く、全ての患者に有効というわけではないため、医師とよく相談して決めましょう。

パーキンソン病に対するリハビリテーション

出来るだけ長い間ひとりで日常生活を送るために、薬物治療と並行してリハビリテーションを行うことが重要です。症状により行うべきリハビリテーションは異なるため、医師と相談してから始めてください。

運動機能を改善させるためのリハビリテーションだけではなく、必要なら専門家のサポートを受けて作業療法や言語療法などを行いましょう。

パーキンソン病に対する最新治療

現在の行われているパーキンソン病の治療では、根本的に治すことはできません。しかし、iPS細胞などを利用した新しい治療の研究が進められています。

iPS細胞は、さまざまな組織に分化できる能力を持っている細胞です。iPS細胞からドパミンを出す神経細胞を作り、それをパーキンソン病患者の脳内に移植する治療が検討されています。
この治療法は、まだ安全性やコストなどさまざまな問題がありますが、将来実用化されるのではないかと期待されている治療法です。

パーキンソン病は早期発見・早期治療が重要です

パーキンソン病は、進行性の病気であるため、ほっておくと症状が重くなっていきます。現在行われている治療は、症状が軽いうちに受けた方が選択肢も多く効果も期待できるため、少しでも異常を感じたら医師に診察してもらうことをおすすめします。

また、パーキンソン病の治療は長期間に及ぶため、医師としっかりコミュニケーションを取り信頼関係を築くようにしましょう。

この施術ページの監修医師

貴宝院 永稔

貴宝院 永稔(きほういん ながとし)

医療法人慶春会 福永記念診療所 部長
株式会社ニューロテックメディカル 代表取締役
株式会社セルリンクス 代表取締役
医療法人交和会 理事長

学歴・職歴

平成15年3月
大阪医科大学卒業
平成15年5月
大阪医科大学附属病院にて初期研修
平成17年4月
大阪医科大学附属病院にて初期研修 修了
平成17年5月
大阪医科大学(リハビリテーション科)レジデント就任
平成19年3月
大阪医科大学(リハビリテーション科) 退職
平成19年4月
大阪医科大学大学院医学研究科(リハビリテーション科)入学
平成21年4月
医療法人伯鳳会 はくほう会セントラル病院 入職
平成23年3月
大阪医科大学大学院医学研究科卒業
平成30年2月
福永記念診療所 部長に就任

資格

CONTACT

再生医療の
お問い合わせ・ご予約はこちら

  • お問い合わせ

    受付時間 / 9:00-20:00【完全予約制】

  • お問い合わせ

    24時間受付!ご不明な点などお気軽に