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医療法人慶春会福永記念診療所、ドクターブログ

人工血管による再生医療計画の申請

平成31年4月23日、細胞を使って、立体的組織を作ると云う装置「バイオ3D(3次元)プリンター」で人工血管を作り、人工透析の患者さんに移植する再生医療計画が申請されたと云う報道をご紹介します。現在の再生医療では、個々の細胞やシート状にした組織を移植していますが、バイオ3Dプリンターを使えば、もっと複雑で立体的な組織や臓器も作れるので、再生医療の進展に弾みがつくものと期待されています。この研究では、中山功一佐賀大教授(臓器再生医工学)と医療ベンチャー企業「サイフューズ」などが開発したバイオ3Dプリンターが使われています。

人工血管

作成の流れ

患者さん自身の皮膚の細胞を培養し、材料となる約1万個の細胞が集まった塊を作ります。装置内で、血管の3次元データを基に、生花で使う剣山のように並べた細長い針に、細胞の塊を指して積み重ねます。数日経つと、細胞の塊同士がくっついて、滑らかなチューブになります。そこで針を抜けば、長さ約5㎝、直径約6㎜の人工血管が出来上がります。

従来との比較

体内から血液を取り出す為に、シャントと呼ばれる樹脂製の管を長期間、腕などに入れておくと、シャントの内部が詰まって、血流が悪くなりました。その部位を人工血管に置き換えることで血流を改善できます。患者さん自身の細胞で作った人工血管だから、拒絶反応の心配がなく、樹脂製に比べて感染症も起こしにくくなります。また、注射針を刺した穴も自己修復出来るメリットがあります。

バイオ3Dプリンター

バイオ3Dプリンターは欧米を中心に開発競争が盛んです。ただ、今までのバイオ3Dプリンターは細胞を立体的な形に保つため、樹脂を加える場合が多かったのです。移植すると、感染症や細胞の機能低下が課題になるので、従来、作られる組織や臓器は、薬の安全性や効き目を調べるためが主な目的でした。一方、中山教授らが開発した手法は、患者さん本人の細胞だけを使って組織が作られているので、拒絶反応などがなく、再生医療に広く応用出来ると期待されています。人工血管は心臓バイパス手術や臓器移植での活用が期待できます。また、皮膚の細胞を使って、切除した食道の代わりになるチューブ作りの研究も進められています。これからの課題としては、患者さん自身の細胞を使う場合には大量に培養する必要があり、培養の時間やコストの問題、実用化に伴う安全性の確認などをクリアする必要があります。

㈱サイフューズ

中山教授が発明した「細胞だけで立体的な組織・臓器を作成する基盤技術」を基に、2010年に設立された九州大学発の再生医療のベンチャー企業です。この基盤技術は細胞凝集現象によって得られる「スフェロイド」と呼ばれる数万個の細胞の塊を、型枠または剣山と呼ばれる冶具上に立体的に積み重ねて、細胞だけで厚みのある立体的な組織・臓器を構築するものです。この基盤技術をオートメーション化した細胞版の3Dプリンター「バイオ3Dプリンター『regenova®』(レジェノバ)」を、澁谷工業㈱と共同開発し、12年から販売を開始しました。19年2月に太陽ホールディングスと、また4月には三菱UFJリースと資本業務提携を発表し、再生医療分野での強化を目指しています。

この施術ページの監修医師

貴宝院 永稔

貴宝院 永稔(きほういん ながとし)

医療法人慶春会 福永記念診療所 部長
株式会社ニューロテックメディカル 代表取締役
株式会社セルリンクス 代表取締役
医療法人交和会 理事長

学歴・職歴

平成15年3月
大阪医科大学卒業
平成15年5月
大阪医科大学附属病院にて初期研修
平成17年4月
大阪医科大学附属病院にて初期研修 修了
平成17年5月
大阪医科大学(リハビリテーション科)レジデント就任
平成19年3月
大阪医科大学(リハビリテーション科) 退職
平成19年4月
大阪医科大学大学院医学研究科(リハビリテーション科)入学
平成21年4月
医療法人伯鳳会 はくほう会セントラル病院 入職
平成23年3月
大阪医科大学大学院医学研究科卒業
平成30年2月
福永記念診療所 部長に就任

資格

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